どこにもない

いえーい

ぼくは

間違いだらけの命だ。肯定でも否定でもなく、ただそれは間違いだ。正解のない時間のなかでなんの疑問もなく泳いでいる。僕は、僕は生まれ変わったら人間なんてやめて、いっそ犬にでもなってしまいないくらいだよ。僕の下らない世界は誰かの最高な世界かも知れないけれど、誰かが、なにかが、いつか、なんて言葉は酷く無責任で現実的ではない。誰かがひとつ歳をとること、誰かがひとしれず死ぬこと、それを経験する度にそれ自体の興味が薄れていくこと。大人になることが諦めだというのならば。

夢をみていた。子宮の中の景色、楽園のような地獄、借りてきた言葉で生きてゆく、僕は、罪を犯してしまった。埃まみれの部屋でいのる。抜け殻のような味気のないそれはどうされるでもなく転がり、待っている。僕はその残骸みたいなもので、誰にでも必要だし、誰にも必要ではない。