どこにもない

いえーい

白昼夢

ガラスみたいな散り散りの砂鉄

そっと肺に溶けて見えなくなった

蒼く萌える心臓のように

あつく震える鼓膜のように

ぼくがそこにいればよかったのでしょうか

ぼくがそこにいればよかったのでしょうか

きみが背中を引っ掻いたとき

夢を視たんだ

厭きたなんていわないでほしい

きみの中で息をしている

ぼくを笑わないでほしい

鼓膜が剥がれてゆく感覚を知ってしまった

もう戻れない

だれでもいいしなんだっていい

どうにもならなくてだれにもなれない

忘れて忘れられて

傷つけるつもりもないのに

ぼくらはいらないくちを塞ぐことができなかった

きみが背中を引っ掻いたとき

夢を視たんだ

厭きたなんていわないでほしい

きみの中で息をしている

ぼくを笑わないでほしい

鼓膜が剥がれてゆく感覚を知ってしまった

もう戻れない

どうにか肯定してくれ

どれか否定してくれ

地獄のような楽園で

空っぽのままで

なにをどう選べばいいか分からない

たすけて、いらない、ことば

それも