どこにもない

いえーい

白昼夢

ガラスみたいな散り散りの砂鉄

そっと肺に溶けて見えなくなった

蒼く萌える心臓のように

あつく震える鼓膜のように

ぼくがそこにいればよかったのでしょうか

ぼくがそこにいればよかったのでしょうか

きみが背中を引っ掻いたとき

夢を視たんだ

厭きたなんていわないでほしい

きみの中で息をしている

ぼくを笑わないでほしい

鼓膜が剥がれてゆく感覚を知ってしまった

もう戻れない

だれでもいいしなんだっていい

どうにもならなくてだれにもなれない

忘れて忘れられて

傷つけるつもりもないのに

ぼくらはいらないくちを塞ぐことができなかった

きみが背中を引っ掻いたとき

夢を視たんだ

厭きたなんていわないでほしい

きみの中で息をしている

ぼくを笑わないでほしい

鼓膜が剥がれてゆく感覚を知ってしまった

もう戻れない

どうにか肯定してくれ

どれか否定してくれ

地獄のような楽園で

空っぽのままで

なにをどう選べばいいか分からない

たすけて、いらない、ことば

それも

生活

道端に置き去りのカップ麺

笑えないホストのキャッチ

誰とヤったヤらなかったの競争

ダンボールしいて物乞いをする人

パンケーキ屋に並ぶ人の群れ

世界とはなんだ

愛とはなんだ

生活とはなんだ

希望とはなんだ

芸術とはなんだ

音楽とは

ライブ中に携帯いじるおっさんみてたら

なんのために歌ってるのかわからなくなった

別にあんたのために歌ってるわけじゃないけど

その程度かってなんか冷めた

エグいこといったもん勝ちみたいな

新しいことしたもん勝ちみたいな

音楽性だけじゃ売れなくなった

全体的に軽いってさミュージックシーン

行方不明のわたしの音楽

バイト先のババアが、ここぞとばかりにやつあたり

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい

ママは今日も知らないおっさんと痴話喧嘩

わたしは知らんぷりして眠った

きたない世界愛してない

やさしくない世界愛してない

幸せになりたくない、なりたい、そんなことないけどわかんない わたしは何も知らない

含み含まれ咀嚼しあう関係わたしたちは間違いだらけの選択を選んでは消し、消しては選んだ。あいつはいつも選択を焦るように口を動かしていた。自分の中に誰かが入ることを酷く恐れていた。しかしそれはこの世界のルールに反している。含み含まれることではじめて他者に認識されるのだ。それができないあいつはいないのといっしょだ。ここにいてもいない、いないのに存在する、それがあいつだった。それでもあいつはひたすらに口を動かしていた。だからわたしはあいつを見下していた。惰性に溺れるあいつをばかだとおもった。ひとは、言いたいことを言える立場ではないのだ。ただただ違和感だけが腹の中に溜まってゆく。ぶくぶくと腐った毒を吐き出しながら息をしている。いやになるな。いやになってばかりだ。毎日クソだが幸せじゃないわけではないのだ。それはわかっていてほしい。ふと鏡に映る顔を見ると、それはあいつと同じ顔をしていた。

ひび

さみしいんだけど人間はつかれるからやだな!くそくそくそこじらせすぎてなんにも良くない良いって死んだ顔でいわれたしね。うるさいプロパガンダもつつましい女もきらいだなんなんだよ句読点うたないめーるとかおまえの日常色んなものを見過ぎて頭がおかしくなりそうだ自分を見失ってどうすればいいかわからなくなってきているなりたいものとなれるものはちがうとかそういうのいいからわたしはやりたいことをやるぜんぶやるリストカッとをしても人生は終わらないから大丈夫だよ

良い曲かきたい。

アイヘイチュー

後ろ向き人間だからぼくはいつもきみのことをかんがえるんだそうすればつよくなれるしぼくがきらきらしてるふうにみえてくるんだまいにちがすごくたのしくなるんだぼくはぼくがとくべつなんだっておもっていたよきみがいたからきみがぼくにむちゅうなの知ってたからでもほんとはほかにもそういうひとがいることなんとなくわかってたんだきみがぼくの知らないところで誰かとキスをしたり抱き合ったりそういうのってすごくやだなんだけどでもぼくはそれをみていないからいまきみはここにいるからぼくをすきだっていってキスするからいいよって言うよぎゅってするしいっしょに歌もうたうんだでもでもあたまのかたすみできみがぼくじゃないひととキスをしてぎゅってするところかんがえるんだしにたくなるよぼくのきもちわかるのどうして好きだっていえるのきみはほんとに知ってるの好きって分かってるのでもぼくはきみに文句をゆう勇気もないしきらわれるのがこわいしでもでもぼくだってきみのことがすきっていわないしいえないしおもってるかもわかんないんだすきだけどすきにブレーキかけてきみにばれないようにしてるきみはいつもだれかがいるときにしかぼくにキスしないんだすきっていわないんだふたりっきりだとぼくはなにをしゃべればいいかわかんないしきみにみつめられるとどきどしして目をそらしたくなるよきみといるとおちつかないよ大人はうるさいよな眠る

ぼくは

間違いだらけの命だ。肯定でも否定でもなく、ただそれは間違いだ。正解のない時間のなかでなんの疑問もなく泳いでいる。僕は、僕は生まれ変わったら人間なんてやめて、いっそ犬にでもなってしまいないくらいだよ。僕の下らない世界は誰かの最高な世界かも知れないけれど、誰かが、なにかが、いつか、なんて言葉は酷く無責任で現実的ではない。誰かがひとつ歳をとること、誰かがひとしれず死ぬこと、それを経験する度にそれ自体の興味が薄れていくこと。大人になることが諦めだというのならば。

夢をみていた。子宮の中の景色、楽園のような地獄、借りてきた言葉で生きてゆく、僕は、罪を犯してしまった。埃まみれの部屋でいのる。抜け殻のような味気のないそれはどうされるでもなく転がり、待っている。僕はその残骸みたいなもので、誰にでも必要だし、誰にも必要ではない。